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リビングウィル

自分らしく生きるためのお話
〜アドバンス・ケア・プランニングのすすめ〜
谷津保健病院 院長 宮ア 正二郎
 「人は誰でも自分の気持ちや考え方に沿った生き方をしたい」と願っています。しかし、もし自分でいろいろな判断ができなくなってしまったら・・・

 アドバンス・ケア・プランニングとは、その人の将来、意思決定ができなくなってしまうことに備えて、あらかじめ患者様、そのご家族と、その人らしい生き方、それに沿った治療・ケア・療養の在り方について医療従事者と一緒に話し合い、確認することです。 

 現代では高齢化が進み、認知症の兆候がみられる方やがんを患われる方が増えてきています。それらの病状の進行によっては自分で意思決定ができなくなり、「受けたい医療」、「受けたくない医療」の希望を叶えることが困難になってしまいます。例えば、脳血管障害、肺炎、癌の進行のように急激に自分の意思決定ができなくなることがあります。また、認知症がいつの間にか進行し気が付くといろいろな判断ができなくなっていることもあります。延命のためにどんな治療でも受けられたい方、あるいは受けたい治療を限定し自然に過ごすことを重んじる方、人により希望はまちまちです。アドバンス・ケア・プランニングによりそのような、もしもの時に備えて、比較的元気なうちに「受けたい医療」、「受けたくない医療」を明確にしておくことで自身の希望に沿う人生設計が可能になります。すでに意思決定がおぼつかない患者様の場合でも、意思を代弁できるご家族と時間的な余裕をもって医療従事者が話し合うことでご本人の希望により近い判断ができることでしょう。「死=怖い」「縁起でもない」「まだ元気だから」という思いから先延ばしにしてしまう傾向があるかもしれませんが、いつかは直面する問題であり、その時に患者様ご本人の意思表明が確認できずご家族が悩むような状況は避けたいものです。

 厚生労働省では、2007年に「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」を示し、
以後、患者様の意思を尊重した医療の実現に向け、特に『人生の最終段階で治療を施すか否か』などについて、医療機関に患者様、ご家族との話し合いの場をもつように指導しています。
 当院では、アドバンス・ケア・プランニングの大切さを認識し、ご高齢患者様・癌患者様の入院時にお話の場をおすすめすることがございます。比較的元気な時だからこそおこなう価値の高いアドバンス・ケア・プランニング、前向きな人生設計としてお考えいただければと思います。
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