診療を行っている主な疾患
虚血性心疾患
充分な問診、診察から始まり、超音波検査や運動負荷検査、24時間心電図および冠動脈CTなど体に負担のかからない検査を行い、必要に応じて心臓カテーテル検査やカテーテル治療を施行しております。また、治療において徒にカテーテル治療にこだわることなく、患者さんの病状、基礎疾患、ご要望などに応じて適宜、薬物治療や手術療法も選択しております。(なお、手術療法については、実績のあるイムス東京葛飾総合病院、東京ベイ・浦安市川医療センター、千葉県済生会習志野病院などをご紹介申し上げております)。また、緊急時にも対応できるよう体制を整備してゆく予定です。
不整脈
不整脈全般の評価、ペースメーカー治療、薬物治療、心不全に合併した不整脈の治療などを施行しております。なお、不整脈に対するカテーテル治療(カテーテルアブレーション)などのより高度な医療については、実績のある東京慈恵会医科大学病院や東京女子医大病院などにご紹介申し上げております。
心不全
急性、慢性を問わず、根拠に基づく治療を心がけております。また、急性心不全の全国規模の調査研究にも参加し、常に診療レベルの向上を図っております。
その他
心臓弁膜症や下肢の動脈硬化症、肺高血圧や肺梗塞などの肺循環障害、深部静脈血栓症、失神発作などの精査加療も行っております。
下肢の動脈硬化については体に負担のかからない検査で評価し、必要に応じて血管造影やカテーテル治療を行っております。
心臓(冠動脈造影)CTのご案内
この検査は日本でも広く普及しており、当院にても多数施行されております。基本的には合併症の危険の極めて少ない検査ではありますが、動脈の中にカテーテルを挿入することの危険性や、検査後の止血(静脈と違い動脈ですから、数時間圧迫しないと血がとまらない)などの問題もあり、安易に施行すべき検査ではありませんでした。
このマルチスライスCTは従来のCTと異なり1回転の撮影で64スライス(従来は1スライスのみ)の身体情報を得ることができます。その結果、数秒間の息止めで、広範囲の情報や心臓のように動く臓器の情報が得られるようになりました。(16列ではおよそ20から30秒の息止めが必要な情報が、64列ではわずか数秒間の息止めで充分です)
この検査方法の登場で、これまでカテーテル検査をためらっていた患者さんにも安全にすばやく冠動脈の検査が施行できるようになりました。歩行や階段昇降の際に胸の圧迫感を感じるなど、心臓の病気が気になる方は是非、ご相談ください。
なお、不整脈があると画像が正確に撮影できない場合があります。詳しくは担当医にお尋ねください。
狭窄している部分は、右の写真白色の矢印の先の様に明確に確認することができます。
心臓カテーテル検査と冠動脈造影CT検査の比較
心臓カテーテル検査 | 心臓(冠動脈)CT検査 | |
---|---|---|
血管合併症の危険性 | あり | なし |
造影剤アレルギーの危険 | あり | あり |
検査時間 | 約30分 | 数秒間(息止め時間) |
検査場所 | (原則として)入院が必要 | 外来 検査(検査後は帰宅できます) |
費用(3割負担) | \50,000~\100,000位 | \10,000位 |
(2割負担) | \40,000~\90,000位 | \6,000~\7,000位 |
(1割負担) | \20,000~\30,000位 | \3,000~\4,000位 |
検査手順
あなたの血管、硬くありませんか
近年、メタボリックシンドローム(略してメタボ)という言葉が世間一般に定着してきました。このシンドロームは肥満をベースにした軽い糖尿病、高血圧、高脂血症などを有する状態の総称になります。
さて、どうしてこのような言葉が世間で言われ始めたのでしょうか。それは皆様ご存知の通り、食生活やライフスタイルの欧米化に伴いこうした状態の患者さんが急増し、そうした方々の多くが、動脈硬化の進展そして脳卒中、心筋梗塞の発症につながることがわかってきたからです。ですから、いわゆる「メタボ」な方はそうした病気になる危険性が高いため食生活をはじめとしたライフスタイルの変更が必要となります。まして、現在すでに明らかな糖尿病や高血圧、高脂血症を有する方や治療中の方は、更に動脈硬化の危険が高くなるわけです。
さて、動脈硬化はなぜ怖いのでしょうか。それは、音もなく忍び寄り体を蝕み、地震のようにある日突然、心筋梗塞や脳梗塞といった致命的な病気が発症するからです。では、その予知と予防は可能なのでしょうか。
答えは「可能」です。
動脈硬化は全身の動脈の変化で、一箇所の血管には限りません。一箇所の血管に動脈硬化があれば全身の血管に存在すると考えていいでしょう。これまでは全身の動脈の検査を簡便に低浸襲(体への負担や合併症が少ないこと)に行うことはなかなか困難でした。しかし、近年の画像診断技術の進歩により、それが可能となっております。当院ではそうした全身の動脈硬化の検査を超音波、動脈脈波検査、CT(別掲にあります64列マルチスライスCT)、MRIなどを駆使して簡便にかつ安全に施行できるようになりました。症状がないうちからでもこうした検査を行い、早期に動脈硬化を発見し、その結果、将来の致命的な病気の発症を予測し予防手段を講じることも可能となっています。
動脈硬化が気になる方、メタボリックシンドロームといわれている方、糖尿病や高血圧、高脂血症で治療中の方などなど、是非、担当医にご相談ください。
頭頸部動脈検査画像
心臓のすぐ上から脳の中の血管まで撮影されています。特に頸部の太い血管に異常が無いかを見る検査です。
MRIは造影剤を使わなくとも血管の様子を見ることができますので造影剤に対するアレルギーのある方でも検査が可能です。 エコノミークラス症候群で話題になった、下肢の静脈血栓などの検索にも有効な検査方法です。
上の写真は頸部動脈のドップラーエコー画像です。左は正常血管で色の変化も少なく、スムーズに流れている様子がうかがえます。右の写真では矢印(点線部)の所にプラークが付着し、盛り上がりのために血管が狭くなっています。その部分から先は流れが乱れ、大きく流速が変化をしている様子がわかります。この様なプラークが剥がれて脳へ飛んで行き血管が詰まってしまうと脳梗塞となってしまいます。
エコー検査は痛みもなく短時間で簡単に精度の高い検査ができますので、ご心配の方は担当医にご相談ください。
スタッフ紹介
須藤 真児 すどう しんじ
役職 | 病院長 |
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経歴 |
千葉大学卒業 日本内科学会認定内科医・指導医 日本循環器学会専門医 総合内科専門医 |
専門 | 循環器一般、内科一般 |