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脳神経外科

診療内容

脳血管障害(脳卒中)、脳腫瘍、頭部外傷、頭痛などの疾患に関して幅広く診療しています。 日本医科大学脳神経外科との連携を取りつつ、月~土曜の一般外来を行っています。 頭痛に関して、専門治療を要する場合は、他院頭痛専門外来へ紹介させて頂きます。 当院は2019年9月に、日本脳卒中学会より一次脳卒中センター (Primary Stroke Center:PSC) に認定されました。 今後とも、千葉県東葛南部地域の脳卒中診療に微力ながら貢献させて頂く所存です。
認定証

診療を行っている主な疾患

脳血管障害(脳卒中)

くも膜下出血 / 脳内出血 / 脳梗塞 / 一過性脳虚血発作

脳動脈瘤

未破裂脳動脈瘤

頭部外傷

急性硬膜外血腫 / 急性硬膜下血腫 / 慢性硬膜下血腫

脳腫瘍

脳腫瘍

くも膜下出血

くも膜下出血とは?

脳の表面には硬膜、くも膜、軟膜という3層の膜があり、このうちのくも膜の下に出血を起こした状態をくも膜下出血といいます。
原因として、脳動脈の一部が膨らんでできた動脈瘤の破裂によるものが大部分です。
ほかには血管奇形や外傷なども原因となります。
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血は死亡率が高い恐ろしい病気です。

図1:通常の脳の表面
図1:通常の脳の表面
図2:くも膜下出血の脳の表面
図2:くも膜下出血の脳の表面
図3:くも膜下出血の頭部CT
図3:くも膜下出血の頭部CT

くも膜下出血の症状

典型的な症状として、今まで経験したことないような「突然の激しい頭痛」が特徴です。意識を失ったり、嘔吐や血圧上昇を呈することもあります。
重篤な出血を起こす前に少量の出血による警告症状を呈することもあります。出血量が少ないと軽い頭痛のみの場合もあり、風邪等と思い込み様子を見てしまう方もいらっしゃいます。

くも膜下出血の診断

くも膜下出血の診断にはCTスキャンやMRIが適してます。もしくも膜下出血を認めた場合、出血源の診断のために脳血管撮影や造影CTなどを行います。
CTスキャンやMRIで診断が困難な場合には腰に針を刺して(腰椎穿刺)診断を行うことがあります。

治療方法

くも膜下出血の原因が脳動脈瘤の破裂である場合には再出血の予防が最も重要となります。
脳動脈瘤の主な治療としては開頭手術によるクリッピング術と、カテーテルによるコイリング術とがあります。

脳動脈瘤クリッピング術

全身麻酔により開頭手術を行います。顕微鏡を使いながら行う手術で動脈瘤の根元を専用のクリップではさみ、動脈瘤に血がいかないようにして出血を予防する方法です。
当院では動脈瘤クリッピング術を行っております。

図4:未破裂脳動脈瘤の術中写真
図4:未破裂脳動脈瘤の術中写真

コイル塞栓術

太ももの付け根の太い血管からカテーテルという細い管を動脈瘤まで誘導して、動脈瘤の中にプラチナでできたコイルを詰める方法です。

図5:コイリング術
図5:コイリング術

未破裂脳動脈瘤

未破裂脳動脈瘤とは?

脳の血管にてできる風船のようなふくらみを脳動脈瘤と言います。このような瘤のできる理由は明確になっていません。
成人の2~6%にこのような瘤が発見され、たまたま脳ドックなどで脳のMRIなどを行って発見されることがほとんどです。

図1:未破裂脳動脈瘤の3次元血管撮影像と術中写真
図1:未破裂脳動脈瘤の3次元血管撮影像と術中写真

未破裂脳動脈瘤が見つかったらどうしたらいいの?

未破裂脳動脈瘤の多くは症状がありません。しかし中には破裂してくも膜下出血となる場合があります。
くも膜下出血は発症すると半数以上の方が死亡するか社会復帰不可能な障害を残してしまうとても怖い病気です。
破裂の確率については瘤の大きさや場所により異なります。

最近の研究では、

日本において治療されていない未破裂脳動脈瘤の破裂率は年0.95%であった。 小さな動脈瘤でも破裂するが、大きな動脈瘤(7mm以上)ほど破裂の危険性が高かった。 前交通動脈、内頸動脈ー後交通動脈分岐部の動脈瘤は中大脳動脈の動脈瘤より破裂率が約2倍高かった。

などの知見が得られております。動脈瘤が見つかった場合には、

慎重に経過を追う 開頭によるクリッピング術 カテーテルによるコイリング術

が主な方針となります。

脳動脈瘤クリッピング術

全身麻酔により開頭手術を行います。顕微鏡を使いながら行う手術で動脈瘤の根元を専用のクリップではさみ、動脈瘤に血がいかないようにして出血を予防する方法です。
当院では動脈瘤クリッピング術を行っております。

コイル塞栓術

太ももの付け根の太い血管からカテーテルという細い管を動脈瘤まで誘導して、動脈瘤の中にプラチナでできたコイルを詰める方法です。

急性硬膜下血腫

急性硬膜下血腫とは

頭蓋骨のすぐ内側にある硬膜の下で脳の表面に出血が起こると、血液が短時間に硬膜と脳の間に溜まって固まり、脳を圧迫します。このような病態を急性硬膜下血腫と言います。 

図:急性硬膜下血腫の頭部CT画像

入院時
入院時
40分後
40分後
手術翌日
手術翌日

急性硬膜下血腫の原因及び診断

急性硬膜下血腫の原因のほとんどは、頭部外傷(=頭のケガ:転倒/転落、交通外傷、殴打など)によるものです。頭部外傷によって脳表に脳挫傷が起こって短時間に硬膜下に血腫を形成するのが典型的ですが、その他外力によって脳表の血管が破綻して出血することあります。
診断は通常頭部CTにて行い、脳表を覆うような三日月型の高吸収域として描出されます。出血は硬膜下に拡がるため、短時間で血腫が形成されて片側の大脳半球全体を覆います。

急性硬膜下血腫の症状と経過

急性硬膜下血腫は強い頭部外傷で起こることが多いため、脳損傷も強く通常は受傷直後から意識障害を呈します。しかし中には、受傷直後にはっきりしなかった意識障害が時間経過とともに発症し、その後急激に悪化することがあります。いずれにせよ意識障害が徐々に悪化して昏睡状態に陥ることが多く、予後は著しく不良です。

急性硬膜下血腫の治療

意識障害がないか或いはごく軽度でかつ頭部CTにて脳の圧排所見がない場合には、厳重な神経学的経過観察と保存的加療を行う場合もあります。多くの場合には前述のように意識障害が進行するため、可及的速やかに緊急手術を行います。
手術は一般的に、全身麻酔下に開頭して血腫除去及び出血源の止血操作を行います。更に緊急を要する場合には、救急処置室で穿頭や小開頭にてある程度血腫を除去して脳の圧排を解除し、続いて全身麻酔下の開頭手術に移行することもあります。また術後の脳腫脹を予防する目的で、あえて開頭した骨弁を戻さずに閉頭し(外減圧術)、脳腫脹が落ちついた数週間後に冷凍保存しておいた骨弁を戻す手術を行う事もあります。

慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫とは

頭部外傷後の慢性期(通常は1~2か月後)に頭蓋骨のすぐ内側の硬膜と脳の間に徐々に血腫が溜まって起きるもので、血腫が脳を圧迫することで様々な症状を呈します。原因としては頭部外傷による架橋静脈の破綻などにより、硬膜下に脳表の髄液などと混ざった血性貯留液が徐々に被膜を形成しながら血腫に成長するとされています。

図:慢性硬膜下血腫の頭部CT画像

術前
術前
手術翌日
手術翌日

慢性硬膜下血腫の原因及び症状

約1~2か月前の軽微な頭部外傷が原因とされています。通常50歳以上の高齢者に多くみられ、更に #1多量の飲酒歴、#2脳の萎縮、#3出血傾向または抗血小板薬の内服、#4人工透析などが発症しやすい要因とされています。
発症した場合は外傷後の無症状の時期を経て、頭痛や嘔吐、片麻痺(歩行障害)やしびれ、痙攣発作、言語障害、見当識障害・記銘力低下・痴呆などの認知症様の精神症状まで様々な症状を呈します。

慢性硬膜下血腫の診断

診断は通常頭部CT(或いはMRI)にて行い、脳表を覆うような三日月型の病変として描出されます。頭部CTにおいて、血腫は低吸収域~高吸収域または混合型まで様々な所見で描出されます。

慢性硬膜下血腫の治療

片麻痺などの脳の圧迫症状を呈している場合、外科的処置を要します。当院では穿頭血腫洗浄術を行っております。手術は局所麻酔下に穿頭してシリコンドレーンを血腫腔内に挿入し、洗浄した後にドレーンを血腫腔内に留置したまま閉創します。およそ一晩の経過で血腫腔内の洗浄液がドレーンから流出し、翌日の頭部CTで確認した後に抜去します。約1週間程度の創傷治癒を図る間にリハビリテーションも併せて行い、経過次第で自宅退院となるのが一般的です。

慢性硬膜下血腫術後の主な合併症

感染症

髄膜炎、硬膜下膿瘍など

けいれん発作

洗浄の刺激などで稀に起こすことがあります。

緊張性気脳症

術後血腫腔の残存空気が膨張して脳の圧迫症状を呈することが稀にあります。

慢性硬膜下血腫再発

一般的には約10%とされています。必要があれば再手術を要します。

◎慢性硬膜下血腫のほとんどは、正確に診断して治療のタイミングを逸しなければ、後遺症もなく完治する予後良好な疾患です。

NCD 外科系医療データベース登録について

脳神経外科では、一般社団法人National Clinical Database(NCD)が行うデータベース研究に参加しています。
詳細は、コチラをクリックしてご覧ください。

スタッフ紹介

常勤医師1名、非常勤医師で診療にあたっています。

酒井 直之 さかい なおゆき

役職 脳神経外科部長:医学博士
経歴 日本医科大学大学院卒業
日本脳神経外科学会学術評議員
日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
PNLSインストラクター
専門 脳血管障害(脳卒中) ・ 頭部外傷
主な論文 Sakai N,Kim K,Sanno N,Yoshida D,Teramoto A,Shibasaki T.
Elevation of growth hormone-releasing hormone receptor messenger ribonucleic acid expression in growth hormone-secreting pituitary adenoma with Gsalpha protein mutation.
Neurol Med Chir (Tokyo).2008;48(11):481-7

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