そけいヘルニアの手術方法について
そけいヘルニアの手術方法について
そけいヘルニアの手術では、臓器が脱出する袋状に伸びた袋(ヘルニアザック)を切除し、切り口は縛って閉鎖します。
これだけで終了すると、腹膜は縛った部分を先端にして、再び袋状に伸びてしまいます。
そこで筋肉の隙間(ヘルニア門)を小さくする必要があります。
かつては筋肉・靭帯などご自身の組織を縫い縮めてヘルニア門を小さくしていましたが、再発率が高いことが問題でした。
そこで現在では人口繊維(ポリプロピレンやポリエステル)を網状に編んでメッシュ状のシートにし、弱くなった筋肉を補強することで腹膜が伸びて出てこないようにします。
そけいヘルニア手術の基本的な手順は以上のようになりますが、それを実現するために様々な方法が考案されています。当院で行われている方法はリヒテンシュタイン法、メッシュプラグ法、クーゲル法、ダイレクトクーゲル法、TAPP(タップ)法、TEP(テップ)法、Marcy(マーシー)法、LPEC(エルペック)法などです。
これらは①組織縫合法とメッシュ法 ②そけい部切開法(通常法)と腹腔鏡手術 ③前方到達法と腹膜前修復法 に分類することができます。
それぞれの方法には長所短所があり、そけいヘルニアの状態やお体の状態(年齢や併存症の有無)によって適した方法があります。
外来診察後、ご希望を考慮しつつ最適な方法をご提案します。
これらは①組織縫合法とメッシュ法 ②そけい部切開法(通常法)と腹腔鏡手術 ③前方到達法と腹膜前修復法 に分類することができます。
それぞれの方法には長所短所があり、そけいヘルニアの状態やお体の状態(年齢や併存症の有無)によって適した方法があります。
外来診察後、ご希望を考慮しつつ最適な方法をご提案します。
<参考>そけいヘルニア手術の分類
①組織縫合法とメッシュ法
1980年台前半まではそけいヘルニアの手術はご自身の筋膜を縫い合わせて補強する、組織縫合法が行われていました。しかし再発率の高さや術後の痛みや違和感が問題となっており、1980年台後半に人工繊維で作られたメッシュを用いた補強法が登場してからは、成人のそけいヘルニア手術はほとんどがメッシュ法で行われています。
組織縫合法は小児のそけいヘルニア手術で行われていますが、成人においては20-30代女性のごく小さいそけいヘルニアや、腸管切除を必要としたヘルニア嵌頓手術時など一部で行われるのみです。
組織縫合法は小児のそけいヘルニア手術で行われていますが、成人においては20-30代女性のごく小さいそけいヘルニアや、腸管切除を必要としたヘルニア嵌頓手術時など一部で行われるのみです。
②そけい部切開法(通常法)と腹腔鏡手術(TAPP法・TEP法)の違い
そけい部切開法では、膨らんだそけい部の少し上の皮膚を4cmほど切開し、ヘルニア部分の表面側からヘルニア門に到達します。
袋状になった腹膜(ヘルニアザック)を縛り、メッシュで薄くなった筋肉を補強して穴をふさぎます。
腹腔鏡手術では臍部と下腹部に2カ所、5-10mmほどの穴を開けてカメラと器具を挿入します。ヘルニア門を後ろから観察して、弱くなった腹筋を裏打ちするような形でメッシュを入れて補強します。
袋状になった腹膜(ヘルニアザック)を縛り、メッシュで薄くなった筋肉を補強して穴をふさぎます。
腹腔鏡手術では臍部と下腹部に2カ所、5-10mmほどの穴を開けてカメラと器具を挿入します。ヘルニア門を後ろから観察して、弱くなった腹筋を裏打ちするような形でメッシュを入れて補強します。
そけい部切開法の利点:手術が短時間(腹腔鏡手術の1/2)、医療費が安い
腹腔鏡手術の利点:傷が小さく目立ちにくい(特に両側手術を受ける方)、より大きいメッシュを挿入できるため広い範囲を補強できる、反対側のそけい部にヘルニアが存在するか診断できる
腹腔鏡手術の利点:傷が小さく目立ちにくい(特に両側手術を受ける方)、より大きいメッシュを挿入できるため広い範囲を補強できる、反対側のそけい部にヘルニアが存在するか診断できる
③前方到達法と腹膜前修復法
メッシュを敷く位置により、筋肉の間(そけい管後壁)に敷く前方到達法と、腹膜の前で筋肉(そけい管後壁)の後ろに敷く腹膜前修復法があります。
前方到達法はリヒテンシュタイン法やメッシュプラグ法などのそけい部切開法により行われます。
腹腔鏡手術では腹膜前修復法です。
クーゲル法はそけい部切開法ですが、腹膜前修復法に分類されます。
前方到達法はリヒテンシュタイン法やメッシュプラグ法などのそけい部切開法により行われます。
腹腔鏡手術では腹膜前修復法です。
クーゲル法はそけい部切開法ですが、腹膜前修復法に分類されます。
メッシュを用いた手術方法は各種あり、②③のように分類される特徴がありますが、優劣はありません。患者さんに適した方法を選択します。
術後再発例は、前回手術と異なる方法を選択する方が手術の確実性が上がります。初回手術で前方到達法を行った後の再発例では腹膜前修復法を、初回手術が腹膜前修復法を行い再発した場合は前方到達法を選択することが多いです。
また、再発例や複雑なヘルニアに対して、腹腔鏡観察を行いながらそけい部切開法(前方到達法)で手術を行うハイブリッド手術も有効です。
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